奄美大島には、美しい渓谷の下に”嘉徳”という小さな集落があります。秘境と呼ばれるほど素晴らしい自然に囲まれており、美しい河口と海岸がある。渓谷からは、とても綺麗な水が流れているのです。

嘉徳は、あまりにも美しくて息をのむほどだ。そこを訪れた外国人は”ジュラシックパーク”と名付けた。住民たちは素晴らしい海岸のそばに住みながら、何十年もそこを守ってきた。
今、どこにでもあるような防波堤やテトラポッドなど、不自然な人工物を造らせないように、集落の人たちで自然環境を守ってきたのです。守られてきた嘉徳は、世界遺産を目指して国立公園にする話がある。それほど自然豊かな、素晴らしい場所なのです。

beautiful and natural Amami Katoku beach, gorge and river mouth

しかし今、嘉徳は危ない状況になっています。自然を不自然に変える日本の産業が水面下で動いているのです。何十億円もかかる公共事業が嘉徳の自然を壊そうとしている。自然豊かな天国のような場所から、コンクリートの地獄へと変えられてしまう恐れがあるのだ。素晴らしい渓谷や河口や海岸が無くなろうとしているのです。もしも公共事業が施行されたら、奄美大島にとって特別で、大切な場所を失ってしまうでしょう。他では変えることのできない素晴らしい自然を、子や孫の世代は、見て、感じて、楽しむことができなくなるのです。奄美大島は自然の遺産を永遠に失ってしまうでしょう。

 

なぜ、そのような状態になったのか?

2015年は大規模なエルニーニョ現象によって台風が4月・5月と早い時期に発生しました。連続で来た台風では、雨があまり降らず、川から流れてくるはずの砂が少なかった。その影響で海岸にも砂が溜まらなかったのだ。集落と海岸の間にある砂丘には、風と波に強いアダンの木が生えている。砂が溜まらなかったことにより、一部のアダンが、大きな波にもっていかれたのだ。 通常砂は、台風が多い秋までに溜まるようになっていて、海の中にも砂が溜まります。大きな波が来ても、沖合いのほうで波のエネルギーを止めるようになっているのです。今年は、珍しく春に来た台風と、雨があまり降らなかったことにより、砂が溜まらなかったのだ。

Sand and plant erosion after offshore sand dredging, and first big storm or typhoon

Amami Oshima Katoku beach Adan forest bulldozed to place sand bags

他に考えられる理由は、海砂の採取です。
もう一つは、河口の流れを人工的に変えたこと。本来、河口は形を変えながら左右バランスよく流れていきます。砂の少ない方へ流れるのです。人工物に囲まれていない嘉徳では河口の水がつまることがないので、自然のままでいいはずです。そこを行政が重機を使い、真っ直ぐな流れに変えてしまった。自然に流れている状態であれば、ここまで砂が無くなることはなかったでしょう。砂は自然に、少ないところへと流れていくのです。

 

パニックとチャンス

今の世代の人たちは、ここまで砂が無くなり、アダンが波にもっていかれるところを見たことがなかった。それで、大パニックになったのです。その時、集落を訪れた行政の人は環境対策や環境保全に勤める人ではなく、建設課の人だった。集落を守る為には防波堤を造ることしかないと説明し、どのタイプの防波堤がよいか?という、コンクリートの壁だけの選択肢しか説明しなかったのです。

Beautiful natural beach transformed into ugly concrete shoreline, Amami Oshima Japan

海岸工学では、コンクリートを入れると海岸の浸食を早めてしまうということが世界中で知られています。しかし、人はパニックになると思考力が低下します。茫然自失している間に、言われたことを信じてしまうのです。集落の人たちは考える時間と、話し合う時間をほとんどもてないまま、賛成せざるを得ない状況になってしまったのです。

Man made sea wall accelerates beach erosion, Amami Oshima

世界遺産に向けて国立公園になろうとしている場所をなぜ、瀬戸内町は公共事業である防波堤を造り、嘉徳の素晴らしい自然を壊そうとしているのでしょうか?

 

嘉徳を助けることについてと昔ながらの伝統技術

パニックに負けなかった集落の人がいました。もしも、コンクリートの壁ができてしまったら嘉徳集落は終わってしまうと感じたのです。

  • もう住みたい場所ではなくなるのではないか?

  • 素晴らしい自然環境での子育てができなくなるのではないか?

  • 自然が壊された嘉徳に、もう誰も訪れなくなるのではないか?

嘉徳は自然がありのままに残っています。けして便利な場所ではないのですが、行く価値があるほど素晴らしい自然が残っているのです。嘉徳の未来について心配し、次の世代の為にも、何かできることがないかと考えた人たちで行動を起こした。

すぐに浮かんだ考えはアダンの木を植えることでした。アダンは海岸浸食を防ぐ為に昔から植えられてきた。砂の中に根を張り巡らせ、大きな砂丘ができる手助けをしてくれるのだ。台風時の塩害対策としても大きく役に立ちます。他の先進国では植物を利用して砂丘を守る方法を何十年も前から行っています。特にフランスでは18世紀から行われているのです。 Erosion control and sand dune binding using plants, France

さっそく、10月27日からアダンの木を植え始めた。集まったのは、嘉徳集落で暮らしている家族4人と、町内から手伝いにきたボランティア2人だ。元気なアダンから枝を切り取り、植樹と種を集める作業をした。大人4人と子ども2人で、アダンが無くなったところを中心に、22本のアダンを植えることができた。種は根が出て少し成長するまで庭で育てることにし、成長したアダンを植える予定にしている。この作業は、たったの1時間で終わりました。もっとたくさんの人たちで協力し合えば、多くのアダンを植えることができるでしょう。ボランティアが20人集まれば、2日で1000本のアダンを簡単に植えることができるのです。

Katoku beach, Amami Oshima, Adan _Pandanus_ tree shoots

 

あなたに何ができますか?

たくさんの人々は”しょうがない”とあきらめてしまう。しかし、ひとりひとりができることはたくさんあるのです。何かを守りたいと考える力は、みんなが持っている力であり、創造力を働かせ、知恵を出せば、守りたいものをは守れる。しょうがないものはないのです。守りたいと願い、行動すれば嘉徳はまちがいなく守れる。しょうがないとあきらめていたら、何も良いことは起こらない。大切なものは残らないでしょう。

次の世代の人たちが、素晴らしい自然を見て、感じて、楽しむ為にも一緒に嘉徳を守ってほしいのです。自然を楽しむ為に訪れた人たちや、嘉徳が好きで移住してきた人たちは今の環境を守りたいと思っている。そのことを集落の人たちに伝え、みんなで協力し合って、行動を起こしましょう。

奄美大島の中で人工物に囲まれていない集落は、もう嘉徳だけではないでしょうか?コンクリートの壁なんて必要ない。そのままの嘉徳がどれだけ美しいか、失ってからではもう遅いのです。

本当の意味での豊かな暮らしが、今の嘉徳には残っています。ひとりひとりの守りたいと想う気持ちと行動が、嘉徳を助ける力になるでしょう。
嘉徳の自然を壊さなくても、集落は守れます。

Amami Oshima, Katoku beach, replanting Adan _pandanus_ trees

 

あなたの力を貸してください

  • 何か協力したいと想った方、まずは一緒にアダンを植えませんか?
  • 砂浜の生態系や、海と山の生物に詳しい方、皆さんの知恵をお貸しください。

その他、自然を守りたいことなら、どんなことでも構いません。協力していただける方のご連絡をお待ちしています。

嘉徳の素晴らしい自然を守りたい方、奄美の未来の為にもPDFをプリントアウトして周りの人たちに知ってもらいましょう。レストラン・カフェなどの飲食店、ペンション・民宿・ホテルなど宿泊施設、他にも自営業をされてる方へ、協力をお願いします。

PDFをプリントアウトして、お客様の目に留まるところへ置いていただきたいです。

奄美の自然を知ってもらい、それを守る為にも協力をお願いします。

ボランティアで活動しています。アダンを植える時の道具や移動の為の燃料費、資料の作成費などの費用がかかっています。協力できる方はビットコインでも可能です。よろしければ協力をお願いします。

Download PDF file